実証の方

漢方の分類で「実証(体力があって筋肉質)」とされた方に出やすい更年期障害の症状を解説しています。実証の方の更年期障害に効く漢方薬についてもご紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてくださいね。
実証の方によく見られる更年期障害の症状
実証の方は体力があって脈が強く、どちらかといえば筋肉質でガッシリ体型の方が当てはまります。少々動いたくらいでは疲れませんし、肌にもツヤがあって血色がよいのが特徴。胃腸が丈夫で食欲も旺盛ですが、やや高血圧気味。腹部は硬くて弾力があります。
そんな実証タイプによく見られる更年期障害の症状は、ほてり・のぼせ・肩こり・腰痛・便秘・冷え・左臀下部圧痛など。これらの症状は実証の方に多い「お血(血流が悪く古い血液が体内に残っている状態)」が原因となっています。そのため、実証の方には血流改善する成分を配合した漢方が処方されます。
実証の方の更年期障害に効く漢方薬3選
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
お血状態を治療する漢方薬で、適応の広いものが桂枝茯苓丸。桂枝(ケイシ)・芍薬(シャクヤク)・牡丹皮(ボタンピ)・桃仁(トウニン)・茯苓(ブクリョウ)の5種で構成されています。血流をスムーズにし、肩こり・腰痛・冷えなどの症状を改善。ホルモンバランスを整える効果や、睡眠の改善効果も期待できます。
柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
柴胡加竜骨牡蠣湯は、柴胡(サイコ)・竜骨(リュウコツ)・牡蛎(ボレイ)・黄ごん(オウゴン)・半夏(ハンゲ)・人参(ニンジン)など11種の生薬で構成された漢方薬。神経系に働きかけて精神を安定する効果があり、更年期障害に見られるイライラ・不安感・うつ症状・不眠などの改善に役立ちます。高血圧・動脈硬化に対する効果もアリ。ただし、適応するのは比較的体力のある方。虚弱の方が使用しても効果は見込めません。
桃核承気湯(トウガクジョウキトウ)
桃核承気湯は、大黄(ダイオウ)・芒硝(ボウショウ)・桃仁(トウニン)・桂皮(ケイヒ)・甘草(カンゾウ)の5種で構成された漢方薬。とくに、体力のあるガッチリ体型の方で下腹部が張り気味、お血状態の強い方に向いた処方となっています。生理不順・ほてり・のぼせ・肩こり・便秘・イライラなどの悩みに効果を発揮。乱れやすいホルモンバランスの調整作用も期待できます。
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