冷え

一般的な冷えとは異なる、更年期障害の冷え。具体的にどんな症状なのかを確認し、その原因と対処法を解説します。

更年期障害の冷えの症状

冷えは、代表的な更年期の症状の一つ。もともと女性は筋肉量が少なく、代謝が低いため、男性に比べると冷え性で悩んでいる人はたくさんいます。たとえ冷え性ではなくても、会社のオフィスや通勤の電車など、多くの女性は夏のクーラーで寒いと感じる人は多いです。

そしてまた、さらに過酷な冷えが更年期障害による冷え。単に冷える、寒いだけではなく、冷えが痛みとして感じられるケースもあります。具体的には、次のような症状です。

  • ●手や足が、季節に関わらず常に冷えている。
  • ●入浴して十分に温めたはずなのに、なかなか暖まらない。
  • ●夏でも冷えが解消することなく、靴下を手放すことができない。

さらに症状が進むと、足や手の痛み、また腰痛を訴える人も出てきます。

また、更年期における冷えの特徴として、よく挙げられるのが、冷えからくるのぼせ。

通称「冷えのぼせ」と言い、冷えているのにほてっているという矛盾した症状を自覚することです。具体的には、手足がとても冷え切っているのに、顔がほてってしまうといった状態。また、下半身が冷えているのに上半身が暑いといった症状を訴える人もいます。

冷えものぼせも、ともに更年期の特徴的な症状なので、矛盾するようですが同時発症しても不思議な症状ではありません。

また同時に発症する症状として、冷えとむくみの組み合わせも知られています。冷えの直接的な原因は血行不良。血行が悪いときは、往々にしてリンパ液も滞留しやすいので、むくみを併発することがあるのです。

主な原因

更年期独特の冷えの原因は、大きく分けて2つ。

女性ホルモンであるエストロゲンの減少と、ストレスの蓄積です。

女性は、卵巣から女性ホルモンの一種であるエストロゲンという物質を分泌し、女性特有の様々な機能を働かせていますが、それらの働きの中に、脳の自律神経を正常化するというものもあります。

自律神経、つまり、自分で意識せずとも、人間の生命活動を維持するための働きがエストロゲンの重要な役割ということ。具体的な働きは、呼吸や体温維持などを正常化させるなどです。

しかし、このエストロゲンが、更年期にさしかかると急激に減少します。ゆっくりと減少すれば良いのですが、急に減少するため体の調整が追い付かず、しばらく体内の様々な機能が狂ってしまうということなのです。

その一つの症状として、体温調節が難しくなる、極端な冷えを感じるということがあります。同じ理屈で、ほてりがあるのも理解できるでしょう。

また、ストレスの蓄積も更年期の冷えを助長するものとして指摘されています。

例えば、あなたがストレスを感じる典型的な場面を想像してみてください。仕事上、なんらかのミスをしてしまって、上司に叱られている最中。体は強いストレスを感じていますよね。同時に、緊張して筋肉が固くなっていることも想像できるでしょう。

つまりストレスとは、体中の筋肉を硬直させる原因にもなります。筋肉が固くなれば血管が圧迫されて、血行不良に。特に手足の毛細血管は非常に細くて弱いため、筋肉の硬直で血流が悪くなるという影響を強く受けてしまいます。

温かい血液が巡ってこなくなり、手足は必然的に冷えという状態になるのです。真夏でも冷えてしまうことを不思議に思う人もいるかもしれませんが、真夏の気温を30度~35度程度と考えれば、それは人間の平熱よりも低いため、手足の冷えを感じてもおかしくありません。

対処法

更年期の冷えへの対処法としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • ●女性ホルモン補充治療
  • ●ストレスの解消
  • ●食生活の見直し

まず、女性ホルモン補充治療とは、急激に減少しているエストロゲンを直接摂取する方法。更年期障害の症状が落ち着いてくるまでの、一時的な対処法のひとつです。補充の方法としては、注射や飲み薬になります。

これらはもちろん、婦人科など専門の診療科で治療してもらうことになりますが、同じ効果を狙った対処法として、サプリメントを摂る方法があります。具体的には、大豆に多く含まれているイソフラボンの摂取です。

イソフラボンは、エストロゲンと同じような働きをすることが医学的にも認められた成分。これを、エストロゲンの代わりに経口摂取することで、更年期特有の様々な症状に対処しようとするものです。症状の改善例も多く聞かれています。

次にストレスの解消について、考えていきましょう。

すでに説明したとおり、ストレスは筋肉を硬直させて血行不良の原因となり、ひいては冷えへとつながります。ストレスがたまらないよう、リラックスして穏やかな毎日を過ごすことが、間接的には冷えの対策となるということです。

ストレスによる体の負担を考慮しても、あまり細かいことを気にせず、自分は更年期なのだから仕方がないと捉えてみましょう。

また、食生活の見直しも大事です。効果には個人差がありますが、やはり体を温める食べ物を選択するのが良いでしょう。

体を温める食材の代表は根菜です。大根、人参、レンコン、生姜など、いわゆる「根っこ」は、体を温める食材として古くから重宝されています。少しずつでも良いので、毎食に取り入れてみましょう。

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