便秘・下痢

更年期障害として起こる便秘と下痢について、症状、原因、対処法を詳しく解説します。排泄はデリケートな問題です。だからこそ、きちんと理解し正しい対処を行いましょう。

更年期障害の下痢・便秘の症状

更年期障害の一つとして、下痢や便秘など、排泄に関わる症状が現れることがあります。もともと女性は便秘症のきらいがあるのですが、更年期障害になると、さらに悪化したり、逆に下痢を起こしたりなど、状態はかなり乱れることもあるのです。

具体的に、40代後半以降の女性において、次のような症状が見られた場合、更年期障害の一種が発症した可能性があります。

  • ●以前よりも便秘がひどくなった
  • ●もともと便秘症ではないのに、最近は便秘になることが多い
  • ●下痢の回数が増えてきた
  • ●下痢と便秘を繰り返すことが多くなってきた

もちろん、下痢や便秘は更年期特有の症状ではありません。どんな世代でもなりうるものなのですが、更年期のそれらには特徴があります。

明らかなものとして、症状が重くなったり、頻度が増えたりという他、便秘症と下痢症を両方持ち合わせる場合が多いという点に大きな特徴があります。

通常、便秘症の人は、あまり下痢になりません。反対に、下痢症の人が便秘になることも多くありません。

しかし、更年期障害の場合には、便秘症でもあり下痢症でもあるといったケースが見られるのです。

これは、自律神経の乱れから腸が正常な働きをしていないということを示しているのです。

主な原因

更年期障害における便秘・下痢の原因は、主にホルモンバランスの乱れになります。

女性は、体内で卵胞ホルモンと黄体ホルモンという二種類の女性ホルモンを分泌しています。更年期、つまり閉経間近の期間に入ると、卵胞ホルモンの分泌が著しく減少します。それゆえ相対的に、黄体ホルモンが体内に多く存在することになります。

月経がはじまってから数十年。これら二つのホルモンは、一定比率でバランスを取りながら、安定的に分泌されてきました。ところが更年期に入り、急にその安定しているバランスを崩されることになります。

この急激な変化に対し、脳はどのような指令を出したら良いのか、分からなくなるのです。この混乱状態は、自律神経の乱れと呼ばれています。

自律神経は、全身のあらゆる器官を適切に働かせる役割を持っているので、これが乱れることで、体中の様々な器官の乱れを招いてしまいます。

とくに腸がこの乱れの影響を強く受けてしまうと、消化や排泄のプロセスが不良となり、結果、下痢になったり便秘になったりします。これが更年期における下痢・便秘の原因です。

なお、ここで言う卵胞ホルモンには、エストロゲンという別称もあります。

対処法

更年期障害の下痢・便秘への対処法としては、まず根本原因となっている卵胞ホルモンの減少に働きかけることが基本。

卵胞ホルモンの減少は止めることができないため、医療の力によって同類のホルモンを人工的に投与する、ホルモン治療が行われます。注射、飲み薬、塗り薬などを通じて、卵胞ホルモンを体内に増やす治療です。

更年期障害のどんな症状でも、突き詰めれば同じ原因になるので、ホルモン治療によって下痢や便秘だけでなく、他の様々な更年期症状の緩和も期待できます。

同じ発想に基づいた対処法として、イソフラボンの摂取が推奨されています。

イソフラボンとは大豆などに多く含まれる成分で、体内に入ると、卵胞ホルモンと同じような働きをすることで知られているものです。

薬ではないので、特に副作用は認められません。

豆腐などの大豆製品から摂取するのも良いのですが、更年期症状の緩和を目的とする場合には、より効率的に多量のイソフラボンを摂取できるよう、サプリメントを利用するのが現実的です。

イソフラボンは、更年期障害のほかにも、様々な健康効果が期待されている成分。迷わず積極的に取り入れていきましょう。

また、ストレスをためないことも、更年期の便秘・下痢の改善には大事な要素です。

そもそも、胃腸は多分に心の影響を受ける臓器。ストレスの蓄積が胃潰瘍の要因になることは知られていますが、精神的な圧力を感じると、人間の消化器官の働きは乱れてしまいます。

更年期は、心身ともにとてもつらい時期。ご家族の理解も含めて、過剰にストレスをためないような環境、あるいは心構えが大切です。

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