疲れやすい

更年期障害の一つ、「疲れやすい」という症状について、その原因や対処法を具体的に解説します。

この症状は、数ある更年期障害の中でも、特に家族の理解が得られない代表格。ご自身もそうですが、ご家族の方こそしっかりと理解しておくべき情報です。

更年期障害の疲れやすさの症状

更年期に見られる症状の一つとして、「疲れやすい」というものがあります。疲れがなかなか取れないのです。

「疲れがとれない」とは、生活していればどこでも耳にする言葉なので、自分でもあまり深刻に考えなかったり、周りに聞き流されてしまう可能性もあります。

しかし、更年期における「疲れやすさ」は、普通の疲れとは異質なものになるので、周囲の人たち、特に家族には十分な配慮と対応が望まれます。

更年期障害を原因とする疲れやすさを、あえて具体的に言うならば、以下のようになるでしょう。

  • ●常に疲労感があり、疲れが取れない
  • ●疲れが取れず、気持ち良く目覚めることができない
  • ●首、肩などの凝りが取れない

これらの症状は、言葉だけでとらえれば、普段、誰にでもあるような症状でしょう。しかし、これら3つには普段経験する疲れとは異なった共通点があります。

それは、疲れが「取れない」という点です。

普通の疲れであれば、一晩、ないし二晩、休んだり寝たりすれば、やがて回復します。しかし更年期障害における疲れとは、どれだけ休んでも、どれだけ寝ても疲労感が取れないというのが特徴なのです。

そのため、家事をはじめ、何もやる気が起こらなくなってしまい、行動しなくなることで代謝も低下、ますます体が重たく感じます。

また、周りの人から理解されず、怠け者だと評価されることも。本人は罪悪感から、ますますふさぎ込んでしまいます。その精神的ストレスが、更年期の各種症状を悪化させてしまうこともあるのです。

主な原因

更年期における「疲れやすさ」の原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少。つまり、すべての更年期障害の症状と同じ原因になります。

エストロゲンの減少が「疲れやすさ」を導くメカニズムを知るため、まずは、疲れとは何なのかを知りましょう。

疲れとは、体内にたまった乳酸が原因で自覚される症状のこと。私たち人間は、体を使うと、疲れの元となる乳酸を分泌します。乳酸は通常、血液の流れにのって肝臓へと運ばれ、そこで分解されます。乳酸が分解されることで、人は疲れが取れたと感じるようになるのです。

飲み過ぎた翌日、全く疲れが取れていないことがありますが、あれは肝臓がアルコールの分解を優先しているため。乳酸の分解まで手が回らないためなのです。

では次に、更年期のエストロゲンの減少は、どのように疲れの原因となる乳酸と関係するのでしょうか。

まず、エストロゲンが減少することで、自律神経が乱れてしまいます。

「エストロゲンを分泌せよ」という脳の命令に体が追いつけず、脳の視床下部という組織は混乱をきたします。その混乱が自律神経の乱れということになるのです。

その結果として現れる症状の一つが血行不良です。

血行不良になると、疲れの原因物質である乳酸を、十分に肝臓に運ぶことができません。肝臓に運ばれなかった乳酸は、そのまま体内に留まってしまい、これが、疲れが取れていると自覚することはありません。

これが、更年期における「疲れ」「疲れやすさ」「疲れが取れない」の原因なのです。

対処法

原因からもわかるように、更年期特有の「疲れ」は、自律神経の正常化とともに、解消することになります。しかし1~2ヶ月で自律神経が正常化するわけではありません。

自律神経が落ち着くまでは、なんらかの症状緩和のための対策が必要となってくるでしょう。

もっともポピュラーな方法は、減った分のエストロゲンを人工的に補充する方法です。ホルモン治療などと呼ばれ、婦人科で対応してもらうことがほとんどです。

具体的には、減少した女性ホルモンを、注射、飲み薬、塗り薬などで補充します。症状に個人差があるのと同様、治療成果にも個人差が認められますが、大方、一定の改善は見られます。

また、女性ホルモンに似た物質として知られる、イソフラボンの投与もよく用いられます。イソフラボンとは、大豆に多く含まれている成分。薬ではないので、サプリメントとしても入手可能です。

こちらもまた、症状の緩和事例が多く報告されています。

他にも対処法は多々ありますが、大事なのは、疲れが取れずに寝てばかりいる自分を責めないこと。怠け者だからではなく、更年期といういわば病気であることを認めることが重要です。

やがて少しずつ改善するものですので、それを家族が理解してあげることも大切。更年期障害とは、一人ではなく、皆で助け合いながら対処していくものなのです。

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